B.W.T. 雑記帳 Miscellaneous notes

【アニメ リーンの翼 第6話「桜花嵐」感想 2】

あとは、雑多な感想。といってもそれぞれ一本づつテーマとして書けそうですが

意外だったのが、ロウリの存在。行動に脈絡がなくただのバカだなぁって見てましたが、核で東京を攻撃するなんてバカを突きぬけて2度ほど裏返ってしまったほどのインパクトでした。
ヘタするとこいつがラスボス?っていうほど急成長。って急成長って言葉よりも存在感のハイパー化というべきか。
第1話から不思議な存在でしたが、結局最後までわからずじまい。
昨今の事件(加藤議員宅への放火切腹とか、のまネコの社長殺人予告とか)を見るに、日本でテロがおこるとしたら宗教がらみじゃなくて、こういう目立ちたがりの理解不能なバカが起こしてしまうんでは?と思ってしまいます。
その意味ではロウリというキャラはリアルなのかなぁと。

そのロウリに付き従う金本というキャラ。
「ここはロウリの好きにさせろよ」
とかのセリフで見るに、金本は最初の米軍テロの時から、この気分でずっとロウリに従ってきたのかなぁと。
裏トミノでソレな裏設定してましたけど、ホントロリっこだったわけですね

それと
「エイサップだって差別されてたんだろぅ!」

フジムラさんから教えてもらったんですけど、∀のロランを演じてた朴ロミさんは在日の方だったんですね。だから、ロランの「ムーンレイスなんですよーー!!」ってセリフや、心理の揺れ動きが胸に来たんだなぁと改めて知りました。
加えて、そういう魂をさらけ出させるような配役で演出させる富野さんは鬼だなと。
話はちょっとそれましたが、「エイサップだって」というセリフにはエイサップに対しても同類の親しみを感じていて、それでも対立しないといけない不運を嘆く気持ちと、この破壊的行動を理解できるだろうという気持ちが示されててスゴイなと思いました。

ここだけじゃなくて、この6話にはひとつのセリフでその背景をパッと理解させるセリフが多くて神脚本ですよ

たとえば、最後のエイサップおとんが
「エイサップの父親のアレックス鈴木です」
と自己紹介するんですが、本当ならアレックス”ゴレム”のはずなんですよね。
鈴木と名乗ることで、アレックスが家族としてやり直そうとしてる意志が分かる。

そう、意外だったもう一つが、この短い尺の中で鈴木家の家族の和解まで描いてしまったことです。話的にはサコミズが東京を守ってバイストン・ウェル軍が帰ることぐらいで話を締めてもいいぐらいだと思うんです。
でも、この家族の和解が無理矢理ねじこんだという感じもせずにすんなり入れられてるのがスゴイ!
富野さんがこうした家族の和解を描いたのって初めてじゃないですかね?
「あとでいっぱつ殴らせろよ」
「いいよ」
ってやりとりも、「いいよ」って言い方がとても爽やかで、ああ、このあとちゃんと家族をやっていけるんだなぁと感じさせる声優さんの力量がスゴイ!

よくアニメで神作画とか言われますが、今回のは神演技と言ってもいいでしょう!
尺が短い、ゆえにセリフと長々としゃべることが出来ない、ゆえの神脚本だったと思うんですが、演技がダメダメだったら台無しです。
その短いセリフにその背景を感じさせる演技があったからこそであったと思います。

「コドールのしとねは暖かいよなぁ」
「うひゃひゃぁはぁ」
のコットウの笑いはもう間男のソレの時にしか出せない笑いですよ!笑いだけで、あぁ関係があったんだなとはっきり分からせてしまう神演技!
「コドールのしとねは・・」のセリフも暖かさだけじゃなくて、湿り気や香りまで感じられる言い回しで好きですねぇ
それをドスのきいた声でやられると、コットウも思い出しちゃったんだろうなwという感じと、サコミズはなんだかんだコドールに惚れ抜いてたんだなぁと分かります。

「あぁ、エイサップ」
のとこ、たぶん監督の演技指導が一番熱が入ったとこなんでしょうねw
画面見てても赤面もんですが、声だけ聞いてたら正直半田地ですよ・・エロすぎる・・・これが演技なんだから女は怖いなぁ

「エレボス、ワーラーカーレンへ帰るぞ」
っていうエイサップの少しふるえるような声に、死を覚悟したんだなと感じることができる!こちらの心も震える!

「生き神様でした・・・」
この声は誰か分からないけど、これだけで悲しみをたたえた声。
「そういって、憐れんでくれた」
このサコミズの泣き声はなんべん聞いてもうるっとなってしまう。それぞれの動きの理屈が分からなくても、この辺の演技が神懸かってるので勢いでみんな流されてしまうんだろうなぁ
結局、コドールやロリのやりたかったことが不明にせよ

そしてラストシーン
第1話で見るかぎり海の水は冷たくない模様。それと服装から真夏の事件ではない。とするなら、第1話は6、7月か9、10月ごろと推測。
最低でも桜の季節まで半年以上はあったと思える。てかあってほしい。
ラストはやっぱファウファウっぽいよね。
「エイサップ、私怖い。これからどうなるの」
これは本能的に別れの時が近づいているのが分かるからだろう。
リュクスが消えた後のエイサップの表情も「いずれバイストン・ウェルへ彼女は帰る」ことが覚悟出来ていたようにも見える。
それでも発さざるを得ない「リュクス!」の叫びもまたいい演技なんだよなぁ

そして桜。日本人はなんで桜がこうも好きなのか?ファウファウではブナの木がファウファウを帰す役目だったけど、今回はサコミズの呼びかけで桜の花たちがその役目だった訳だ。
その消え方もファウファウ物語の「ヒョイと引き込んだ」って感触に近い。

唐突ですが、自分がこのサイトを続けている情念の根っこには、
ダンバインのラストでのたった一人のチャムが哀れでならない
故にチャムの残したバイストン・ウェルの物語を語り紡いでいかなければ
というロマンチシズムがあるのです。

それが、このラストシーンを見て、こんなにたやすく、こんなに優しくバイストン・ウェルに帰れるなら、きっとチャムもあのあとバイストン・ウェルに帰ることが出来たんだろうと思えてしまいました。
少なくとも、今の富野さんが新訳ダンバインを作るならきっと帰してくれるのだろうと思えます。
その意味で20数年の情念が鎮魂とは言わないまでも、鎮められてしまった感がありヤバイなぁというのが正直な感想です。

最後に、熱演してくれた声優の方々、裏トミノで楽しませてくれたスタッフの方々、他この作品を送り出してくれたスタッフの方々、そして富野監督に「ありがとう」の言葉を述べて締めさせて頂きます。
ありがとうございました!

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